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人生何がおこるかわからない!だからおもし ろい!

(福岡でフラダンス教室を主宰している本田真澄さんをご紹介します。)

■実践女子大学への入学
私は熊本で育ちました。姉達が全員、東京の大学へ進学していたので4人兄姉の末っ子の私も東京で大学生活をおくるのは当然だと思っていました。姉が休みに なると都会の垢ぬけた香りを運んでくれ、東京の話にワクワクして憧れとなっていました。大学選びは得意科目で受験可能であったこと、女性は一生、家事をし なくてはいけないのなら(まだそういう時代でした)楽しくできればいいな、そして資格が取れる管理栄養士専攻がいいかな、と考えて入学しました。


■学生時代の思い出
憧れの女子大生活が日野という田舎の地からスタートしたのも楽しかったです。授業後、六本木などに繰り出す日は気合いを入れてお しゃれをして登校しました。談話室で売店のおばさんがポテトサラダやピーナツバターをたっぷり塗ってくれたコッペパンを食べながら、友人達といろいろなこ とを話しました。実習でははりきり、試験前にはノートの貸し借り、代返など助け合いました。試験勉強で一人暮らしの友人の部屋に泊めてもらった朝、彼女達 はいつもおいしい朝食を出してくれ、家政学部の学生であることを実感しました。クラスリング、トレーナー、卒業文集を作り、まとまっていて楽しかったで す。笑い・悩み・怒り・涙して、62人1クラス全員で成長していたように思います。


■卒業後も勉強の日々
大学以外でもフランス料理、テーブルセッティング、フラワーコーディネートを学び、いつかはフランスに留学したいと思い、フランス語の学校にも通いまし た。大学で栄養価計算をして作る料理ではなく、バターや生クリームをふんだんに使うフランス料理に魅了されていました。卒業論文は「新フランス料理」とい うテーマで食物学科非常勤講師の大竹伸郎先生に指導していただきました。大竹先生は全日本司厨士協会に基盤をおくワールドクッキングスクールの校長をされ ていたので、卒業後も大竹先生のスクールで勉強しました。講師陣は一流ホテルの料理長や有名なパティシエの方々でしたので、料理の味とフランス語のメ ニューはわかるようになりました。


■フラとの出会い
姉達が東京に嫁ぎ、結婚するなら母が一人で暮らす実家のある熊本かな…?と親孝行めいた思いを消せずにいた矢先の見合い、24歳 で結婚し専業主婦生活がスタートしました。子供が生まれ、あっという間に4人の母親に。母親というのはこんなにも大変なのかと思い知らされる日々。自由な 時間なんてあるはずもなく、日々の暮らしに追われ、朝はまた振り出しにもどり、尽きることのないストレスを常に持っていました。子供の成長を間近で共有で き、充実感もあったのですが、「一体私って何なの?」と自分探しをしていた気がします。フランス料理もテーブルコーディネートも生活に不可欠なものではな く、だんだん遠い世界になって行きました。山のような洗濯物に埋もれて、「洗濯物をたたむために生まれたの?」と思い、涙が止まらなかったこともありま す。フラと出会ったのは、そんな時でした。ハワイアンミュージックを聴くとハワイ語がわからなくても鳥肌が立ちました。中学生の頃に創作ダンスは大好きで したし、自分を表現したいというのが潜在的にあったのかもしれません。週1回のレッスンでしたが気がつけば毎日通っていました。そして、フラをやるからに は育児や家事も頑張ろうと思ったのです。フラはメレという歌詞をハンドモーション、表情などで表現し伝える、ハワイ古来のダンスです。子供を抱っこしてフ ランス料理を作ることはできなくても、ステップを踏むことはできました(笑)。



■今、取り組んでいること
始めは子供のお友達のママや近所の人の「教えて!」という一言からハーラウ(フラ教室)がスタートし、どんな教室にするのかなど 何も考えていませんでした。日本のフラとハワイのフラとの違いを感じ、ハワイのクムフラ(フラの先生)に学び、一生勉強だと思っています。なぜなら、ハワ イの文化であるフラを日本人が踊るのですから…。現在、ハーラウには3歳から80歳代まで約100名の生徒さんがいらっしゃいます。若い方ははつらつと美 しく、年配の方は人生をうつし出すような豊かな美しさで踊っています。年齢や目的、レベルに合わせて7つにクラスに分かれていますが、みんな縁あって集 まって、まるで家族のような仲の良さです。フラを教えていなかったらこんなにも多くの人と出会えていなかっただろうと思い、生徒さんは私の宝です。


■これからの夢
ハーラウ(教室)にはママクラスがあります。私にはフラがあったから子育て中でも、笑顔とパワーを得ることができました。レッス ンのひとときでも幸せを感じ、ストレス解消になれたらと開校当時からママクラスを設定し、乳幼児のお子さん連れでレッスンが受けられるようにしています。 その他のクラスももっと充実させて、生徒さんやそのまわりの方々の笑顔の輪を広げたいと思っています。2011.3.11以来、私達もフラを通して復興の お手伝いをさせて頂き、だれかのために祈り踊ることができるということを知りました。まさしくアロハスピリッツを実感しています。




■最後に
「なよたけ物語に投稿を」とのお話しをいただき本当に驚きました。はじめは、優秀でも何でもない私には書くことが思い浮かびませんでした。同窓生の皆様の 中には大きなフラハーラウ(教室)の先生がいらっしゃるかもしれません。私に言えることは、「人生何がおこるかわからない!」です。フランス料理を勉強し ていたことが縁で主人と結婚し、4人の子育てに悩んでいたときに「自分は一体何もの?」と自分探しからフラに出会いました。学生時代、私がフラ講師になる なんて誰も想像していなかったはず。起こりうることには無駄なことは1つもないということです。きっとこれからも何がおこるかわからないけれどきっと夢は そこかしこに散らばっていて楽しいに違いない。皆様へのメッセージは「笑顔を忘れないで!」です、実は…私へのエールでもあるのです。




本田 真澄さんプロフィール(昭和58年度家政学部食物学科管理栄養士専攻 卒業)
30代でフラに出会い、自分を解放し表現するフラの世界に引き込まれていく。
ハワイ島ヒロで開催されるフラコンペティション“メリーモナーク”にて常勝のハラウ(フラの教室)を率いるレイアロハ・リム・アミナ氏に師事、2010年 にはウニキ(卒業)と認められハワイアンネームを授けられる。
福岡市内にスタジオ (カ パー フラ オ ラアケア)を構える。気品ある美しいフラを目指すと共に心の成長を大切にし、女性を元気に応援するためのレッスンを心がけている。 趣味は旅行、食べ歩き、散歩、ダイビング。